環境の違いとお寺の文化活動
■考え込む
もう研修も後半。
この頃になると研修後はどうするのか
と言う雰囲気がお寺内に出てきます。
私も研修後を考えるようになりましたが
この頃お寺て感じていた事は、
現在のお寺と言うのはやはり葬儀やお墓、法事が
主となって経営が成り立っているようなのです。
今回の安穏フェスティバルもそうですが
基本的にはお寺にあるお墓の供養のための祭りで、
馬鹿騒ぎするための場ではありません。
法事も週に3.4回は入っていますし、
一日に2回連続で法事が入る時もあります。
それくらいお寺の行事として大事なものらしいです。
ただ、私はこの研修を受けるにあたって、
お寺には寺子屋のような教育の場、または文化的な場としての
お寺を期待して来た経緯があります。
ですので正直なところ、そのどれにも全く興味が湧きません。
この頃は
「この仕事を続けていくならそれらに興味がないと
やってはいけないのだろうか」「これが本来のお寺の仕事なのだろうか」
「この仕事には自分は向いていないんじゃないか」と
色々考え込んでいた時期でしたね。
ただ、それを小川住職に話したら意外な返事が。
「お墓や葬儀に興味が無いならそれはそれでいい」と言ってくれたのです。
というのは葬式やお墓というのは、私の興味のある仏教ではなく、
儒教の教えだからだと。
本来、御釈迦さんは葬儀をやれとか、
お墓を作れなんて説いていないらしいのです。
やはり本来の仏教とは私のやりたい寺子屋のように
自己の形成、向上の為にあるものなのです。
しかし、今日のお寺はそういった事より、
葬式仏教になってしまっているようで、
そこに住職も疑問を持っているらしいのです。
自分と同じ違和感を
住職も持っていてくれた事が嬉しかったです。
しかし、まだこの理由だけでは
この研修後の進路を決めかねます。
今後どうするか・・・
まだまだ考える毎日が続いていました。
■カメムシ その1
研修のピークでもあった安穏フェスティバルも終わり、
陽が傾くのも大分早まってきた9月の終わりくらいからでしょうか。
どうやらこの地域では
ある虫が大発生するようなのです。
くさいくさいアレ・・・・
そうカメムシです。
ここではこの時期になると一斉にカメムシが
山から飛んでくるようなのです。
お寺は夕方4時半まで窓が全開ですので、
お寺の中までカメムシだらけに
なってしまうのでかなり困ります。
自分の部屋の中まで入り込んでましたから。
しかもこのカメムシ、
千葉では見た事も無いほど大きい。
しかも臭いのは全く変わらない。
前にも書きましたムカデもそうでしたけど
何か田舎は虫のサイズがでかいようです。
平べったい虫なので
すぐ小さい隙間に入ってしまい、
窓やふすまを閉めようものなら
「グシャッ」
と、目を覆いたくなるような
光景があちこちで起こるわけです。
仕事が終わり疲れて部屋に戻っても、
今度は部屋中にいるカメムシを
窓の外に放り出す仕事がありますから。
余計な仕事増やすなよとブツブツ言いながら
カメムシを追い出してたような気がします。
■カメムシ その2
夜寝る前にはこのカメムシを全部外に出して、
いなくなったのを確認してから寝てるのですが
それでもどこかに隠れていたのが
夜中にぶーんと部屋を飛び回っていることもあります。
また窓や壁に「バシバシッ」ぶつかって
うるさいんですよね。
夜中に飛ばれると窓開けて外出すのも面倒くさいので、
廊下にカメムシを放り出してしまうことも多々ありました。
廊下に放り出したカメムシが虫の習性なのか、
電気つけたまま寝てしまっていた矢部さんの部屋に
一斉に飛んで行った事もあったりして・・・・
真夜中に隣の部屋からすさまじいカメムシの
暴れっぷりが聞こえてきました。
翌日、「夜中カメムシがいつもより多くて
大変でしたよ~」と言う矢部さんに
心の中で謝ったのはいうまでもありません。
しかし今回のカメムシといい、
前回のムカデもそうでしたけど、
同じ日本にいて、こうも環境が違うものかと
感心してしまいます。
よく見聞を広げるため海外にいきました
なんて話を聞きますが、
外国行かなくても日本に居たって
十分自分の世界は広がるものだと
お寺に来て感じるようになりましたね。
外国行くだけが勉強じゃないです。
■環境の違い
環境の違いで思い出したことが
もう一つ。
いつものように朝のお勤めの準備を
本堂でしていた時の事でした。
ローソク線香に火をつけていた時、
突然
「ドーンッ!!」
という大きな音が。
少し風のあった日でしたので、
部屋の扉が強く閉まったのかと思い
気にしてなかったのですが、
祖師堂にいた矢部さんに
「うわ~大野さんちょっと来て~」
と呼ばれ行ってみると、本堂の前の庭(院庭)には
なにか大きな物体が横たわってました。
辺りには羽が散乱してます。
なんと「鷹」でした。
上を見ても、鷹の巣があったわけでないですし
空しかありません。
上空で力尽きて落ちてきたようです。
さすがにこの鷹に関しては
鎌田さんも初めての事らしいので
ここでもめったにある事じゃないですが
東京じゃもっとありえない事でしょうしね。
気候に関しても千葉と新潟じゃ違いました。
夏の暑さは千葉と変わりないのに
(むしろ去年は千葉より気温は高かったらしい)
冬が来るのも早く、なおかつ寒い。
四月の面接の時、東京駅で新幹線乗って、新潟駅で降りたら
もう寒かったですから。東京で平気だった格好が
こっちだと寒いです。私が寒がりということもありますが。
新潟駅から内野駅へ向かう
電車も面白かったですね。
電車の扉に乗降用のボタンがついてるんです。
だから人が乗り降りしない扉は開くことが無いので
暖気や冷気が逃げないわけです。
環境に配慮してますよね。
関東でも通勤の時間帯を除いてこうしたら
随分環境にやさしいと思うんですが。
夏以外の季節はほとんど曇っているようで、
研修前にこのお寺に四回、面接と顔合わせで4~6月に来ましたが、
四回とも全部曇ってました。
冬になると新潟では雪が降っているのに
雷も同時に鳴るような天気の日もあるようです。
千葉と新潟なんてたいして離れていない気がしますが
こんな感じで環境は随分違うわけです。
こういった事は地方に2.3泊するだけじゃ
わからないですから。
いい経験させてもらいましたね。
■お寺の文化活動 その1
お寺と言うと、このブログを見るまでは皆さんも
難しい説法や掃除と葬式くらいの印象しかないかもしれません。
私もそう思っていましたが、前にも書いたとおり、
お墓や葬儀が主となっている経営に疑問を感じているお寺では、
最近では色々と活動内容が幅広くなってきているようです。
私が研修を受けている時には
広間で陶芸作家の展覧会があったり、
大道芸の公演があったり色々な催し物がありました。
有名なところですと、その陶芸展の前夜祭では
佐渡島で活動している世界的に有名な「鼓童」という
和太鼓集団のメンバーが演奏しにくることもありました。
生で見た太鼓のバチさばきはすごかったです。
研修生が安穏フェスティバルで叩いた太鼓とはレベルが違いますね。
当たり前ですが。
陶芸展に来るお客さんも芸術系の方が多くて
有名大学の教授だったり、画家だったり様々です。
この画家の方とは話が少し盛り上がり、
芸術談義に花を咲かせていたのですが、
気付いたら仕事の時間になってしまいました。
仕事に戻ろうとしたところ、寺務さんは
「そんなに喋りたい人なら喋っていていいよ。それが勉強になるから。」と
仕事の時間になっているにも関わらず
お客さんと喋るのをOKしてくれた事も。
私も現役の画家の方とじっくりお話したのは
初めての事でしたので、楽しかったです。
■お寺の文化活動 その2
文化活動としてはお寺ではお茶やお花の時間もあります。
このお茶の授業も正座の時間が長かったり
するのですが、そんな緊張感がある時間ではないので
和気あいあいと楽しんでいました。
もともとお茶が好きな上、うまい和菓子も食べれますしね。
このお茶の授業は、飲み方、入れ方、出し方、運び方、歩き方、
襖、障子の開け方、閉め方、お辞儀の仕方などなど教わり、
ここで習ったことを法事の時に生かすわけです。
ですのでこれは研修生だけが習うわけではありません。
鎌田さんや小川住職、奥さんまでやりますから。
全員お茶の時間は同じ生徒なので、
間違っていれば小川住職でも注意されます。
お花の授業は、本来は研修生は受けられないのですが
鎌田さんが用事で休まなくてはいけなかったので、
興味があった私は自分から頼み込んでやらせてもらいました。
やってみてわかったのはお茶と違い、
お花に関しては、使う感性が色や構図など、
画を描くのに近かったような気がします。
分野が違っても通じるものはあるようです。
ちなみに、活けた花は受付の
一番目立つところに置かせてくれました。
めったに無い事ですので、
つい携帯で記念に撮影したりして。
撮った写真がどっかいってしまったので
とりあえず絵にしてみました。
初めてにしてはよく出来た方だと思います。
おわり
------------------------------------------------------
(C)2007 OHNO Yuichiroh All Rights Reserved.
ご意見、ご感想、ご質問、お仕事のご連絡等、下記よりお気軽にどうぞ。
この話を出版して下さる出版社様募集しております。
大野雄一郎 アートギャラリー
ohno yuichiroh art gallery
