朝のお勤め
■朝のお勤め その1
皆さんもなんとなくご存知だとは思いますが、
どうやらお寺では毎朝、「お勤め」(おつとめ)というものがあるみたいです。
そうです。仏さんの前でお経を読むのです。
お寺によって違うのでしょうが、
妙光寺では朝七時からお勤めが始まりました。
まず、研修生はその準備をしなくてはいけないので
その一時間前に起床。
顔を洗い、ひげをそり身だしなみを整えます。
服装ですが、当然Tシャツにスウェットで
お勤めはできないようで、
お寺に支給された「作務衣」(さむえ)に着替えます。
色違いを二着頂きました。
そしてお経を読む時に必要な
お経本二冊と数珠を用意。
この二冊をお勤めで読みます。
朝起きたらお寺中の窓や扉を全部開けなければいけないようなので
矢部さんと二人であけて回ります。
次に本堂、祖師堂、位牌堂という部屋がありまして、
そこにあるローソク、線香に火をつけて回ります。
祖師堂には日蓮さんや
その他の偉い方達を祀っていました。
「常花」と呼ばれる金の花がたくさんあります。
仏さんの慈悲を象徴しているそうです。
キラキラしてます。
そして上にもキラキラと金色の物が・・
お寺に行くとこういうのよく見ると思います。
「人天蓋」(にんてんがい)と言うらしいです。
もともと昔のインドの身分の高い人が差していた
日よけの傘に由来するらしいです。
祖師堂は全体的にキラキラしてましたね。
■朝のお勤め その2
祖師堂、位牌堂の準備ができたら次は本堂でした。
本堂には大きな仏像が五体正面にありました。
祖師堂と同じくここもローソクや線香に火をつけます。
つまみ食いしたくなるようなうまそうな
お供え物とかもここにあがってました。
準備が出来たら、
七時から本堂で住職、鎌田さん、
研修生二人でお勤めが始まります。
研修生は上の絵の様に
本堂の両端でお経を読んでました。
座禅ではないです。正座です。
七時です。
御住職の声と
鎌田さんの木柾(もくしょう=ポクポクたたいているやつ)が本堂に響きます。
ここのお寺に来て初めて
間近で聞くお経ですが
結構心地良いモンです。
しかし、ただそれをボーッと
聞いているわけにはいかないので、
それに合わせて研修生もお経本を開いて
字を追います。
・・・が、なんとも難しい漢字ばかり。
その中の一文ですが、
唯佛與佛乃能究盡・・・・・・・・皆さんこれ読めますか?
答え:ゆいぶつようぶつないのうくうじん
何ですかこれは?
こんな読み方
教わりましたっけ。
読めない漢字が多いので、
なんとなくブツブツ読んでいたんですが
「声が小さい」と一喝。
最初のうちは間違っていてもいいので
とにかく大きな声でと言われました。
応援団の様な叫び声でこれを読んでいくのです。
お経というのは「南無~・・★■○」と
ブツブツ読むイメージがありましたが、
こうしてお経の声を作っていくようです。
■朝のお勤め その3
ちなみにこれは「壽量品」(じゅりょうほん)
というお経で研修生も読むのですが
いくつか難しそうなのをランダムに書き出してみました。
右上から読んでみて下さい。
難しいですよね。
これだけ読みづらい経本なのに読み仮名は全く振っていません。
住職が言うには「音でお経を覚えた方がいいから」とのことです。
英語の勉強でもそうだと思いますが、
カタカナで読み方を書いてあっても正しく発音はできません。
お経もやはり住職と鎌田さんの読経を聞いて
音で覚えていく作業が必要なのです。
正しいお経を読むために住職と鎌田さんの
読経を意識しながらお経を読みます。
ただ住職と鎌田さんのお経を聞きたくても
こちらも一緒に大声出してますから、
聞き取れない事もしょっちゅう。
そういう時は後でお経の補習をしてくれたりします。
わからない部分は放置せずに
わかるまで読み方を教えてくれました。
学校もこんな感じで教えてくれたらいいのですが。
少人数で生徒全員に目が行き届くなんて
今の学校が見習う部分もあるでしょう。
「序編 その一」にも書きましたが仏教の教義を
日々の生活に生かせるように全国のお寺さんが寺子屋作って
教えてくれたらおもしろいんですけどね。
というより、学校の義務教育に
神道や仏教を入れたら面白いと思うのですが。
それができれば本当に日本は変わるような気がします。
今の日本は、表面的な制度を変える事よりも、
心や、ものの価値観を変えていかなければいけない、
いや、変えるというより、
持っていたものを取り戻さなければいけないのでしょう。
その根本はまず神道や仏教を身近なものにすることが
必要だと思います。
■朝のお勤め その4
朝のお勤めはお経だけではありません。
ドンッドンッドンッ!!
そう、太鼓も叩かなくてはいけないのです。
このお経は皆さんご存知だと思います
「南無妙法蓮華経~」
これを唱える際、一緒に太鼓を叩くのです。
叩き方にも特徴があって
まず「南無」で軽く「トンッ」と叩きます。
そして「妙」「法」「連」「華」「経」を
お経を読むのと同じくらい大きな音で
「ドンドンドンドンドンッ!!」と
五回思い切り叩きます。
わかりますか?
南無 妙 法 蓮 華 経
トン ドンッ ドンッ ドンッ ドンッ ドンッ
こうなるわけです。
上の絵の右端に私がいますが、
この位置で研修生が日替わりで毎朝叩くわけです。
早速、住職の前で「南無妙法蓮華経」と
大声で唱えながら太鼓を叩いてみますが、
どうも慣れない内は、お経を意識すると
太鼓が弱くなってしまうんですね。
かといって太鼓を意識すると
声が小さくなるし。
お坊さんも色んな事が出来なければ
いけないようです。
■朝のお勤め その5
お経を読み、太鼓を叩き、
大体朝のお勤めは毎朝三十分ほどありました。
お寺によっては朝のお勤めは
座禅だったりして、あぐらなのでしょうが、
妙光寺では三十分ずっと正座です。
慣れていない研修生にとって
この三十分は結構きついです。
お勤とめが始まる前は
寝起きで硬くなっている体を
痛めないように柔軟をしているのですが
それでも三十分も正座していれば
痛いし痺れてしまいます。
慣れるしかないようです。
お勤めが終わっても
足はビリビリ痺れていますので、
無理して立たないようにしてました。
正座で足の感覚が無くなっていますから
たまに、つま先からついてしまい
足がクキッてなるのです。クキッて。わかりますか?
こんな感じになるのです。
本人はしっかり足の裏で地面を踏んでいる
つもりなのですが、足が返っていることに
気付いてないので思い切りこけてしまいます。
ですから怪我をしないように
ゆっくり立ち上がってました。
全ての読経が終わったら、
最初につけたロウソクを消し、
朝のお勤めは終了でした。
まあ初めての朝のお勤めは
何が何やらわからず大変でした。
文字にすると長いですが、
これで七時半ちょっと過ぎるくらいです。
次は朝食ですが、
これもお寺ならではといいますか
独特なものでした。
朝のお勤め 終わり
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